Relativity Spaceについては以前から3Dプリンタを使ったロケット会社で面白そう、と思っていたが、最近の打ち上げ延期の記事を見たことで、恥ずかしながら彼らがそこまで進んでいることを初めて知った。 そこで良い記念だと思い、調べられる範囲でRelativity Spaceのロケットについて調べてみた。
ロケットについて: Terran1(GLHF)
今回フライトが予定されている機体はTerran1という名前で呼称されている。今回の打ち上げの機体はGLHF(Good Luck, Have Fun)と呼ばれているのがおしゃれ。(Rocket labもだけど、こういうおしゃれ要素が楽しそうな職場だなと想像できる) Relativity Spaceの 最も有名な「売り」は機体の大部分を3Dプリンタで製造していることにある。普通だったらタンクの清浄度など気になってこんな作り方出来ないところで、作ってしまうのは勢いがあって気持ちいい。
肝心の機体の緒言はリンクに記載されている通り
全長 | 33.5m |
直径 | 2.28m |
ペイロード | LEO(185km):1250㎏ SSO(500km):900kg SSO(1200km):700kg |
日本のロケットと比較すると強化型イプシロンがSSO(500km):590kgのようなので、イプシロンの1.5倍程度の打ち上げ能力があるとのこと。ただTerran1はミッション費が1200万ドル(約16億円ぐらい)とイプシロンと比較して大分お安そう。(実態がおいくらになるかは分からないけれど)。いずれにせよサービスインすればかなり競争力がありそう。
ロケットエンジン:Aeon 1
Space Xでもおなじみになったように同一エンジンを一段に9機、上段に1機配置するスタイル。緒言としては、推力:100kN(sea level)、113kN(真空) ということなので、LE-5Bよりちょっと低めな程度。燃料がLOX/LNGなのも最近の流行りを踏襲している。HPを見ると、SpaceXと同様に火星での燃料製造を念頭に置いているらしい。エンジンの細かい情報があんまり出てこないものの、町の噂ではGGサイクルという表記がいくつかある。(最初はdual expanderだったものを推力が足りなかったからGGになった模様)。ISPとかの情報は見つからず。とはいえ、もし以下のリンクの通りであればIspは1段で310秒、2段で360秒とまあそこそこ良さそう?
※https://www.reddit.com/r/RelativitySpace/comments/o2gwag/relativity_space_block_post/
打上予定:NASA LC16
Relativity SpaceがNASA LC16を2019年から五年契約で借りているので、基本的にはここを軸に打ち上げを予定している。(アメリカは射点がいっぱいあってうらやましい)。最初の打ち上げは延期したものの次回は2023/03/11ということで楽しみにしてます。